クリスタルコール平田

オリジナルCD「おんぼらと」

このCD「おんぼらと」のページの最後に収録曲を掲載していますので、ぜひ、お聞きください。

混声合唱団クリスタルコール平田は、平成16年に第10回の定期演奏会を開催しましたが、平成17年は、新たな10年への出発の年であり、また、平田市が、3月22日に出雲市、佐田町、多伎町、湖陵町及び大社町と合併し、出雲市となったこともあり、記念事業として、合唱曲CD「おんぼらと」を制作しました。

※「おんぼらと」は、ほんわかとした様やゆったりとした様を表す出雲弁です。

この合唱曲を歌い継ぐことによって、「平田のすばらしさ」を次代に伝えて行くため、地元の学校、公民館、関係県人会や希望者等の皆様にCDを配布(特に、旧平田市内の中学三年生については、全員に配布)しました。

収録曲は、「組曲 緑の風の中で~わたしたちのふるさと平田を歌う~」と「心のふるさと」です。

「組曲 緑の風の中で」は、5曲(鳥になって・電車が行くよ・鳥になって・平田のお祭り・帰り道・ふるさと平田)から構成されていますが、平成7年に開催された島根県音楽教育研究大会(平田大会)の取り組みとして制作されたもので、作詞は、旧平田市内の小中学生の皆さん、作曲は、よねやまみちお先生です。

「心のふるさと」は、当合唱団のオリジナル曲で、平成17年に完成しましたが、作詞は、当団員の小村典子さん、作曲は、よねやまみちお先生です。

なお、この事業は、「おんぼらと平田・合唱の町づくり事業」として『しまね文化ファンド』及び『出雲メセナ協会』の助成をいただきました。

「おんぼらと」に寄せて

このCDの完成に対し、3名の方からメッセージや詩をお寄せいただきました。

森山 俊雄 様

(島根大学名誉教授・元作陽音楽大学教授・全日本合唱連盟名誉会員・元関西歌劇団団員)

戦後NHK全国学校音楽コンクールで全国第三位の平小の指揮者故古川安定先生、同一般ソロの部で全国一位福原芳夫氏、そして当合唱団のテノール梶谷晃一先生は名トリオとして活躍されました。そしてこの合唱団の名指揮者で名ソプラノ曽田千賀子先生のもと全員がソリストと申して過言ではない我が新生“混声合唱団クリスタルコール平田”はそれこそ当地方の宝物でございます。それは我が島根が“合唱県シマネ”と全国から呼ばれるにまさにふさわしい出来ごとでございましょう。そして当地方から日本的・世界的名プレーヤーが・・・・。他県人曰く“島根は戦国時代に生まれ変わった。何故なら戦いと共に血の交流がなされ、そのため各県人のいいところを全部吸いとったからこうなったのだ”と。云われてみれば中世紀前から手崎山(愛宕山)の下はすぐ日本海、その港からはるか大陸(支那・朝鮮)と盛んに交流があり、国際人平田のすごさのそれがナント平田太鼓のその演奏に躍如としているところでございます。そして新作“合唱曲おんぼらと”は平田人の体質を素直に具現していまして、作詞は小中学生の皆さんと団員の小村典子さん、作曲は名合唱指揮者で作曲家の米山道雄先生、そしてすばらしいデザインは当平田出身の画家安食愼太郎氏の作、まさにこのCDは新生平田のそれにふさわしく、永久の発展を示唆されているように思えてなりませぬ。

終わりにこの企画にかかわれた方々に深甚の謝意を捧げ謹しみ祝意に及ぶものでございます。

よねやま みちお 様(作曲者)

平田には昭和29年ごろ、森山俊雄先生の弟子として通っておりました。電車の駅も活気があり、町も賑やかでした。うどんの鍋屋もホルモン屋さんも、夕方にはこたえられん匂いを思い出します。

三原呉服店裏の川に下りる石段を柳の枝越しに見とれたり、生姜糖の店に回り道したり、今市モンには別世界の魅力がありました。

そうそう、道端の駄菓子屋のガラス戸に「ジーシのムトあります」の張り紙。あの頃流行した粉末のジュースはオレンジやパインの味で水で溶かしました。青春時代の私の胸に懐かしい「ムト」(もと)が残っています。

「平田」万歳。

おんぼらとやーましょや

安食 愼太郎 様(CDジャケットの絵画の作者)

やおよろずの神来たり集う。謳(うた)う。

宍道の湖(うみ)に大山(おおやま)が沈む。

紅蓮(ぐれん)の炎がごと波頭(はとう)がさんざめく。

太古の森を焼き尽くした火の霊(たま)となって。

雨雲(あまぐも)は天蓋(てんがい)を覆い、雷鳴(いかづち)は大地を揺(ゆ)るがせ、つん朔(ざ)く。

霞(かすみ)立つ春よ! 星降る夏よ!

錦織りなす秋よ! 白銀(しろがね)凍てつく冬よ!

そは地こそわが郷(さと)。

おんぼらと、たゆたう時空の流れよ!

幾千万年の移(うつ)ろいは変わることなき、神と民の郷(くに)!

青き狼の群士(むれ)よ!

永劫の極みは遙かなり。

裳(も)裾(すそ)を翻し戯ぶ乙女(むすめ)等よ母なる礎(いしじ)を知れり。

双手(もろて)を挙げる嬰児(みどりご)よ愛の慈しみを享(う)けよ。

おんぼらと、おんぼらと。

わが故郷(ふるさと)に建てよ。限りなき未来の宝塔を。